教室員の風景

2023年2月

大学院4年生になりました、全梨花です。

前回、教室員の風景を担当させていただいたのは2020年6月で、大学院での研究生活を始めて間もない頃でした。それから2年半ほどの間、生化学講座の再生修復医学教室で研究の日々を送っていましたが、今回研究成果を第39回滋賀医大シンポジウムで「M1ミクログリア特異的標的化アポトーシスペプチドを用いた新生児低酸素性虚血性脳症に対する新規治療法の開発」として発表させていただき、奨励賞を頂くことができました。

このシンポジウムは、学内の准教授と講師の先生方で組織されている「准講会」が主催の研究発表会で、毎年開催されています。学内の若手研究者や学生さんの研究成果の発表の場であり、活発な議論が交わされますが、この度奨励賞を受賞することができて、大変嬉しく思っています。

私の研究は、脳性麻痺の原因である新生児低酸素性虚血性脳症の治療ターゲットとして、脳内の免疫担当細胞であるミクログリアに注目しました。再生修復医学教室でALSとミクログリアの研究をされている寺島准教授の下で、M1ミクログリアをアポトーシスに導くペプチドをマウスモデルに投与することでの治療効果を検討しています。マウスモデルでの研究は、辻准教授が留学先のカロリンスカ研究所で学ばれてきたことを教えて頂きました。日々の研究の積み重ねが研究成果として発表できたことは、ご指導いただいた先生方のおかげであり、深く感謝しております。また、私が研究に没頭できているのは、滋賀県の産婦人科医療を支えて頂いている臨床の先生方のおかげでもあり、本当にありがたく思っています。

同じく大学院生の稲富絢子先生も「人工胎盤システムを用いた革新的新生児呼吸循環管理法の開発」で審査員特別賞を受賞され、ますます産婦人科学講座の研究が盛り上がっていくのではないかと思っています。

奨励賞ということで、さらに若鮎賞を目指して研究を深めていきたいと思っていますし、この研究成果を論文発表し、周産期医療の未来に役立てるようがんばっていきたいと思います!