教室員の風景

2016年4月

「小さな命が呼ぶとき」

卒後16年目に突入します小野哲男です。年月を経たほどに、人として産婦人科医として成長したかどうかは定かではありませんが、お腹まわりが成長したのは確かなようです。

さて、先日第13回国際人類遺伝学会に参加してきました。写真は会場の国立京都国際会館で桜がきれいな良い時期でした。基本的には、出生前診断など産婦人科関連の発表を聞いていたのですが、4月5日のランチョンセミナーはライソゾーム病という、どちらかというと小児科よりの発表を聞いてきました。

発表の内容は、以前は治らないとされていたライソゾーム病も酵素補充法などの治療法がでてきた。ポンペ病は、以前治療法がなかった時代には2歳くらいで死んでいた。治療法が見つかってからも、症状が出てからの治療では半数が亡くなってしまうが、出生後早期から治療を開始すると死亡率は0になるので、出生後早期から治療をしましょうというものでした。ちなみに、ランチョンセミナーのスポンサーはジェンザイム、ポンペ病の治療薬はマイオザイムといいます。

「小さな命が呼ぶとき」という映画があります。ブレンダン・フレイザー(ハムナプトラの主人公を演じていた俳優さんです)演じるジョン・クラウリー、彼の娘たちがポンペ病で、治療薬はなく、余命宣告されてしまいます。彼は、ポンペ病の第一人者であるストーンヒル博士(演じるのはハリソン・フォード)を訪ね、全てをすてて博士の研究をサポートし、治療薬を開発します。そして、できた薬が「マイオザイム」です。
映画に出てきた薬が、今も使われていて、目の前のスライドに出ているというのは、ちょっとドキドキ興奮しました。セミナー中、頭の中を、ブレンダン・フレイザーとハリソン・フォードが行ったり来たりしていました。

医療者には、おすすめの映画です。モチベーションを高めたい時に是非どうぞ。