教室員の風景

2012年5月

医局長の木村文則です。これからおよそ1年間かけて滋賀医大産婦人科の日々の様子を連載していくこととしました。
第1回目の今回は、ブリーフイングについて述べることとします。通常、どの大学病院のどの講座も臨床カンファレンスや研究カンファレンスを行っていると思います。当然、我々も週に2回の臨床カンファレンス(月曜日の15時30分~、木曜日の15時30分~)並びに週に1回の研究カンファレンス(月曜日の16時30分~)を行っています。これに加え月、水、金の朝8時からと、火、水、金の16時30分からは簡潔なカンファレンス・申し送り(ブリーフィング)を行っています。これは病棟の入院患者さんの状況を多くの医師が効率的に把握するためのものです。特に産科は患者さんの状態は刻々と変化しますが、情報を一人一人に伝えているような時間的な余裕はありません。分娩が同時に3件進行していることや手術日には3列同時に手術が入ることもあります。病棟医長や担当医が、別件を当たっている時もあり、このような場合などにも多くの医師が状況を把握しておけば安全に管理することができます。もうひとつの理由は、研修中の先生に患者さんのプレゼンテーションしていただく機会をより多く持ってもらうためです。プレゼンテーションは、すればするほど上手になります。人前でプレゼンテーションするためには、自分の中で患者さんの状態をきっちり把握しまとめておく必要があります。これを日々行うことは臨床医として修練する非常によい方法だと思います。ブリーフイングなどで話す機会が多いためだと思いますが、滋賀医大産婦人科に入局の先生は半年もすると本当にみんな上手にプレゼンテーションするようになります。他の大学や滋賀医大の他科からも医局員は、上手にプレゼンテーションするとお褒めの言葉を頂いています。
写真は、ブリーフイングの一コマです。教授を中心に患者の熱計表をみながら情報交換しているのがご理解いただけると思います。日々のこのような地道な努力により、患者さんの安全を守りと教育機関として医療者の修練を行っているのです。